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清掃業雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社ユニテックサービス、更新担当の中西です。

 

 

 

清掃業の歴史:時代と共に進化した“衛生と快適さ”の守り人たち


今回は、私たちの暮らしや働く環境を支えてくれている「清掃業」の歴史についてじっくりとご紹介します。


普段はあまり注目されることのない仕事かもしれませんが、実は社会インフラのひとつとして発展してきた、非常に奥深い業種なんです。


1. 人類の“清掃意識”は宗教と共に始まった

 

清掃の起源をたどると、古代文明までさかのぼります。
たとえば古代インドでは、「清浄=善」とされ、バラモン教の儀式では身体や空間を清めることが神聖視されていました。
また、古代エジプトの神殿では、朝な夕なに掃除が行われていた記録があり、清掃は“神に捧げる行為”だったのです。

このように、人類にとって清掃は単なる「汚れ取り」ではなく、「神聖さ」や「秩序の保持」を象徴する行為でもありました。
今で言う「衛生管理」は、最初は宗教的概念として根付いていたのです。


2. 都市化と公衆衛生意識の高まり

 

産業革命(18〜19世紀)を経て、大都市が急速に発展すると同時に、ゴミや排泄物が路上に放置される事態が深刻化しました。
ロンドンやパリなどでは、疫病が頻発するようになり、社会的に「清掃」が命を守る手段であることが認識され始めます。

この頃から、自治体による“公衆衛生部門”が設置され、街路清掃やゴミ収集を行う専門部署が生まれました。
また、民間ではお屋敷やホテルなどで働く「清掃専門の使用人」が登場し、“職業としての清掃”が明確化されたのもこの時期です。


3. 日本の清掃文化と明治の近代化

 

日本では、江戸時代に「町人文化」が花開いたことで、清掃や片づけの習慣が一般庶民にも広まりました。
朝夕に町内を掃除する「町内清掃」は、地域コミュニティの一環でもあり、道を掃き清めることが“礼儀”や“徳”とされていました。

明治時代に入ると、欧米の制度を参考にしながら日本各地で清掃の公的制度が整い始めます。
戦後の高度経済成長期には、ビルや工場、交通機関が増え、施設管理や環境整備としての「ビルクリーニング業」が急成長を遂げました。


4. 現代清掃業の多様化と高度化

 

令和の今、清掃業はますます専門化・高度化しています。

  • ビルメンテナンス業としての発展
     日常清掃・定期清掃・特別清掃に分かれ、管理会社と請負会社が連携する「総合管理」体制が一般的になっています。

  • 医療・福祉施設における清掃
     病院では、感染症予防を目的としたゾーニング清掃が義務付けられ、医療用薬剤や特殊な清拭技術が導入されています。

  • ホテル・観光業界でのホスピタリティ清掃
     「見えない快適さ」を提供するプロフェッショナルとしての清掃業務が評価され、清掃員が表彰される事例も珍しくなくなりました。

  • SDGsと環境対応
     環境負荷の少ない洗剤、ゴミ分別の徹底、リサイクル清掃用品の導入など、清掃業も“サステナブル”の担い手となっています。


清掃業の歩みは、人類が「きれいであること」に意味を持たせ続けてきた証。
時代が変わっても、「環境を整える」ことの価値は揺るがず、むしろその重要性は今、ますます高まっています。

清掃業は、常に社会の変化に応じて進化を遂げてきた“現場の守護者”。
その深さと誇りを、ぜひ一人でも多くの人に知っていただきたいと思います。